活用テクニック2026年3月23日

事後検定入門 — どの群間に差があるかを特定する多重比較法

事後検定(多重比較法)の仕組みをやさしく解説します。ANOVAで差が見つかった後、Tukey HSDやBonferroni補正を使ってどの群間に差があるかを特定する手法を学びましょう。

事後検定の概念図

事後検定(Post-hoc test)は、ANOVAやKruskal-Wallis検定で「群間のどこかに有意な差がある」とわかった後に、「具体的にどの群とどの群の間に差があるのか」を特定するための手法です。ANOVAは全体として差があるかどうかを検定しますが、個別の群間比較は行いません。事後検定はこの「犯人捜し」の役割を担います。

族単位のエラー率(FWER)を制御する

4群あれば6通り、5群あれば10通りの群間比較が必要になります。単純にt検定を繰り返すとタイプIエラー(偽陽性)が蓄積し、実際には差がないのに「差がある」と誤判定する確率が跳ね上がります。事後検定は、すべての比較を通じてタイプIエラーの全体的な確率(族単位のエラー率、FWER)を制御する仕組みを持っており、信頼性の高い群間比較を実現します。

代表的な事後検定手法

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    Tukey HSD(Honestly Significant Difference)

    最も広く使われる事後検定です。すべてのペアワイズ比較を一度に行い、FWERを制御します。群のサンプルサイズが等しい場合に最も適しています。

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    Bonferroni補正

    有意水準を比較回数で割る(例:6回比較なら0.05÷6=0.0083)というシンプルな方法です。保守的(差を見つけにくい)ですが、任意の検定に適用できる汎用性があります。

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    Scheffé法

    最も保守的な事後検定で、事前に計画されていない比較(事後的な比較)にも対応できます。検出力は低いですが、あらゆる線形対比に適用可能という柔軟性があります。

Qast の EDA 機能では、ANOVAの結果が有意(p < 0.05)だった場合に自動的に事後検定を実行し、どの群間に差があるかを明示します。多重比較の補正も自動で適用されるため、ユーザーは結果の解釈に集中できます。

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